その4 労働時間って?残業代を取り戻そう!

労働時間には、使用者の指揮監督下に置かれている拘束時間(使用者の指示があれば直ちに作業に従事しなければならない手持ち時間など)も含まれることに注意しましょう。

【労働時間とは】
使用者の指揮監督・命令の下に置かれている時間、つまり明示又は黙示の指示によってその業務に従事している時間をいい、必ずしも実際に作業している必要はありません。使用者からの指示があればいつでも対応できるように待機している時間などは労働時間とみなされるのです。具体的な例としてあげられる事項は以下のとおりです。
(1)作業と作業の間の手待時間。例えば、電話当番で電話を受けていない時間。
(2)作業開始時前のミーティング、交替制勤務の場合の引き継ぎ時間。
(3)一定の作業服の着用が義務付けられている場合、その作業服への着替え時間。
(4)使用者の指示がある場合においての、作業前の準備、作業後の後始末・掃除。
(5)仮眠時間であっても、警報や電話等の対応があるなどその場での労働から離れることが保障されていない場合。
(6)不参加による不利益扱いがあり出席が強制される場合の、教育や訓練、研修への参加時間。

労働時間とされた時間が法定労働時間を超えている場合には、
割増賃金が支払われることになります。

労働時間の原則として、使用者は労働者を「1日について8時間、1週間について40時間」の法定労働時間を超えて働かせてはいけないと定められており(労働基準法32条)、これに違反した使用者や現場の責任者は罰せられることになります。そのため、どのような時間が労働時間に含まれるのかということは重要となってきますので、ここに挙げた労働時間の概念を把握しておくことが大切です。
なお、使用者の指揮監督下においても、自由に労務から離れられる時間を「休憩時間」とされ、通常は拘束時間から休憩時間を差し引いたものが労働時間となります。

労働基準法で定められた割増賃金は、月給制、年俸制を問わず、
原則的に全ての労働者に対して支払われる決まりがあります。

【年俸制と賃金】
年俸制というのは、使用者が労働者の能力、仕事の成果、将来への期待などを総合的に評価して、1年間の総賃金を決定する賃金制度です。年俸額というのは、原則的に年間所定の労働時間だけ働くことを想定しているため、時間外労働や休日労働があった時には、別途、割増賃金が支払われることになります。労働基準法37条が定める原則1日8時間、週40時間以上の労働に対する割増賃金の支払い義務は、年俸制であろうが、月給制であろうがすべての労働者に対して原則適用されることになっているため、年俸制を採用すれば残業代を支払われないとうのは誤解だということに注意しなければなりません。なお、労働基準法41条2号で定められた管理労働者に該当する場合に労働時間の規制が適用外になるケース、みなし労働時間を8時間とした裁量労働時間制や事業場外労働のみなし労働時間制を採用するケースでは、使用者に割増賃金の支払い義務が発生しない場合もあります。

年俸制の中には、あらかじめ一定金額を割増賃金分として含んだうえで年俸額が決定されることがあります。この場合、「年俸は○○円、そのうち割増賃金分は××円」と、内訳が具体的に明示されていなければなりません。労働条件通知書や就業規則にそれが明記されていない場合、年俸額を基準に割増賃金が計算されます。実際に働いてみた結果、事前に決められた割増賃金分を超えて働くことになった場合、割増賃金の不足分が追加して支払われることになります。ですから、労働契約・就業規則・労使協定などにより、年俸額の内容を事前によく確認する必要があります。
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by tokyo-union-tf | 2009-08-02 23:50 | 7.知っておこう!労働法

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