その2 不当労働行為への命令書 

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アボットジャパン都労委平成21年不第83号事件の命令書が出されました。
命令書は23ページに亘る非常に中身の濃い良い内容でした。

いきなり「命令書」といわれても・・・難しいと思います。
命令書とは、行政である労働委員会から出る判決です
はたして、どの様な構成で書かれているのでしょうか?
普段あまり目にする機会もないと思いますので、まず
今回のアボットジャパン事件の命令書を目次形式にしてご説明します。

・タイトル (命令書)
・申立人と被申立人の所在地・代表者名 (申立人はユニオン・被申立人は会社)
・序文 (事件番号・いつ・どこで・誰が審査したのかを明記)
・主文 (労働法の判決とどのように謝罪するかの方法や手続きが書かれている。)
・理由 (判決の理由) 
  第1 事案の概要及び請求する救済の内容
    1 事案の概要 (どんな事件か?)
    2 請求する救済の内容 (申立人が労働委員会にどんな助けを求めているのか?)
  第2 認定した事実 
    1 当事者等 (会社の事業内容や規模・ユニオンの概要)
    2 組合員Aさんの組合加入に至る経過と平成21年3月12日の団体交渉 
      (証拠書類・証人審問から判明した事実) *今回は項目(1)~(5)まで約3ページ
    3 組合員Aさんに対する解雇とその後の経緯
      (証拠書類・証人審問から判明した事実) *今回は項目(1)~(3)まで約1ページ
    4 本件団体交渉申し入れと会社の対応 (団体交渉申し入れのやり取りの証拠書類・証人審問から
      判明した事実) *今回は項目(1)~(5)まで約7ページ
  第3 判断 (労働委員会の判決までの判断)
    1 当事者の主張 (申立人組合の主張・被申立人会社の主張のまとめ)
    2 当委員会の判断 (労働委員会の合議見解)
     (1) 組合員Aさんの解雇に至る前後の事情について (委員会の合議結果が書かれている。)
     (2) 基本規定52条に基づく承諾書の要否について (委員会の合議の結果が書かれている)
     (3) 別件訴訟と本件団体交渉の関係について (委員会の合議結果が書かれている)
     (4) 会社回答などに対する組合の対応について (委員会の合議結果が書かれている)
     (5) 団体交渉拒否の成否について (委員会の合議判断が書かれている)
     (6) 救済方法について (委員会の合議結果が書かれている)
  第4 法律上の根拠 (第3の判断を下す法律上の条文の説明)

命令書
申立人   東京都新宿区代々木四丁目29番4号
      労働組合東京ユニオン 執行委員長 渡辺 秀雄
被申立人  東京都港区六本木1丁目9番9号 
      アボットジャパン株式会社
      代表取締役会長兼社長 池田 勲夫

上記当事者間の都労委平成21年不第83号事件について、当委員会は、平成22年10月5日第1523回公益委員会議において、会長 公益委員 永井紀昭、公益委員 和田正隆、同 荒木尚志、同 小井土有治、同 白井典子、同 松尾正洋、同 馬越惠美子、同 平沢郁子、同 栄枝明典、同 小倉京子、同 中窪裕也、同 櫻井敬子の合議により次の通り命令する。(公益委員名と職業はすでに東京都労働委員会のHPで公表されている。弁護士や行政の各分野で活躍されている有識者たちである。)

主文
1 被申立人アボットジャパン株式会社は、申立人労働組合東京ユニオンが平成21年6月17日付けで申し入れた、組合員Aの解雇その他の労働条件などを交渉議題とする団体交渉に誠実に応じなけばならない。
2 被申立人会者は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記の内容の文書を申立人組合に交付しなければならない。

                           記

                                          年月日
労働組合東京ユニオン
執行委員長 渡辺 秀雄 殿

                                  アボットジャパン株式会社
                                  代表取締役 池田 勲夫

当社が、貴組合の平成21年6月17日付、同月28日付、7月8日付及び9月9日付団体交渉申し入れについて、貴組合が、別件訴訟における貴組合の組合員A氏の訴訟代理人の承諾書を提出しないこと、別件訴訟と本件団体交渉との関係の質問に回答しないこと等から、真に団体交渉を求めているとは考えられないとして、これに応じなかったことは、東京都労働委員会において不当労働行為であると認定されました。
 今後、このような行為を繰り返さないよう留意します。(注:年月日は公布した日を記載すること。)

3 被申立人会者は、善行を履行した時は速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。
(救済方法については命令書の最後に記されている
。)


労働委員会がどの様に判断したかを説明する当委員会の判断の部分は次のページで・・・

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by tokyo-union-tf | 2010-10-28 11:36 | 3.労働委員会経過

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